取材協力:チャックボックス
文:佐賀山敏行
※2015年11月06日の記事を再編集しました。
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低く垂れ下がったハンドルバーに高く掲げられたサイドマウントのヘッドライト、軽快な印象を与えるステンレス製ショートフェンダーなど、“これぞチャックボックス!”といえる1台が、ここに紹介するマシンである。
カフェレーサー……そのなかでもロッカーズと呼ばれる不良たちが好んだスタイリングは、まさにチャックボックスの真骨頂。純正フューエルタンクを使用することで、あえてSRらしさを存分に残しながらも、強いオーラを放っているのは流石だ。
同店の特徴は、先に述べたシルエットだけでなく、ひとつひとつのパーツのクオリティの高さにある。エキゾーストをはじめ、ハンドルバーにメーターステー、前後フェンダーなど、金属パーツの多くはステンレス製で、同店による手作り。非常に手の込んだものであり、なかでもステップ周りの造形は圧巻だ。エンジンのビッグフィン加工も、溶接跡が見られない自然な仕上がりで、同店のカスタムに対するこだわりが見て取れるポイント。
それでいて純正部分を多く残している点も見逃せない。変えるべきは変え、残すところは残す。SRを知り尽くしたチャックボックスだからこその“技”だといえよう。
フレームはほぼ無加工、フューエルタンクや足周りもストックのまま……それでもなお、そこらのフルカスタムには出せない強い存在感を発する。あえてもう一度言おう。
“これぞチャックボックス”……である。