取材協力 : キャンディーモーターサイクルラボラトリー
写真・文 : 佐賀山敏行
※2018年03月31日の記事を再編集しました。
カスタム情報を中心にお届けしているSRタイムズだけど、愛車をかっこよく、気持ちよく走らせるためには何よりもメンテナンスが重要。なかでも基本中の基本といえるオイル交換は定期的にやっておきたいものである。
一般的にはエンジンオイルは走行3,000km、もしくは半年に1回はやった方がいいと言われている。しかし、僕はいつまでも調子良く愛車にのっていたいので、1,500~2,000km毎に交換するように心がけている。もちろん、もし半年間で2,000kmに達しなかった場合でも前回交換時より半年以内に交換するようにしている。粘度がなくなってしまってからでは遅い……僕はいつも、オイルがある程度綺麗なうちに、さらに綺麗な新品オイルを入れることで、常にエンジン内を最適な潤滑レベルに保つようにしているのだ。
さて、ではどうして距離とは関係なく半年に1度は交換した方がいいのか?
エンジンオイルが劣化する理由はさまざまある。
代表的なものは
1)エンジン内の金属同士の磨耗によって金属粉が紛れ込む
2)エンジンの熱
3)空気中の水分を含むことによる劣化
4)酸化
である。
1番と2番は走行時、エンジンが動くことで起こる劣化である。対して3番と4番は、エンジンを始動させなくても起こるもの……つまり、エンジンオイルはエンジンを動かさなくても劣化するのだ。
そこで、最低でも半年に1度はオイル交換をおこないたい。
滅多にバイクを走らせない人で、「前にいつオイル交換をやったか覚えていないよー」なんていう人も多いだろう。そういう人は、春と秋におこなうことをオススメする。なぜかというと、夏や冬といった厳しい季節はオイルにとっても厳しい環境。そうした季節を乗り越えた春や秋にやっておけば、覚えやすいし、エンジンにも優しいのだ。
かくいう僕も、暖かくなってきたこの季節に、神奈川県海老名市にあるキャンディーモーターサイクルラボラトリーでオイル交換をやってもらったのだ。結果、エブサン号の調子はバッチリ! これからはじまるバイクシーズンに向けて、準備はバッチリだ!!
まずはフレームに内蔵されたオイルタンクからエンジンオイルを抜く。アンダーガードとフレームの間にオイルが入りこまないように、不要な紙やガムテープで養生。
オイルを抜けやすくするため、メインチューブにあるキャップを緩めておく。
オイル受けをセットして、ドレンボルトを緩める。オイルが勢い良く飛び出すので要注意!
フロントタイヤにかからないように、オイルを誘導するために大きめの紙を用意しておくのが良いだろう。もしオイルがタイヤに付着してしまったら、パーツクリーナーなどで油分をしっかり除くこと!
オイルフィルターはオイル交換2回に1度は交換したい。ほかにOリングや銅ワッシャー、さらに今回はフレーム側のドレンボルトも交換した。ちなみにドレンボルトは脱着を繰り返すことで伸びるので、定期的な交換をオススメしたい。
その詳細は、カメラマン井上さんのエッセイにも詳しく載っているぞ!
新品のドレンボルトと銅ワッシャーを忘れないよう、あらかじめ組み付けておく。ドレンボルトを外したまま、オイルを注入するともったいないぞー!
続いてエンジン側のドレンボルトを取り外し、エンジン内のオイルを排出する。
バイクを直立させて、ちょっと揺らすとさらにオイルが出てくる。なるべくエンジン内に古いオイルが残らないようにしたい。
続いてオイルフィルターの交換。エキパイにオイルが付着したり、フレームとエキパイの間にオイルが入り込むと大変! こちらも不要な紙とガムテープで養生しておこう。
オイルフィルターカバーを取り外すには、ボルトを3本取り外す。
オイルが出てくるので、とりあえず出なくなるまで放置。
カバーを取り外し、中にあるフィルターも取り除く。そして、ウエスなどで残ったオイルを拭き取る。
こちらが取り外したオイルフィルター周りのパーツ。フィルターはもちろんのこと、Oリングも交換しよう。
オイルフィルターを装着する。小さなOリングを忘れずに装着しておくこと。
大きなOリングはカバー裏側に、写真のように装着する。
フィルターカバーを装着。この際、フィルター上部にある小さなボルト(プラグ)の銅ワッシャーも交換しておく。ただし、このときプラグは締め上げないこと。写真のように、銅ワッシャーを潰さないように、すこし浮かしておこう。
エンジン側のドレンボルトも締める。
オイル汚れなどはウエスにたっぷりとパーツクリーナーを吹き付けて、しっかり吹き上げる。エキパイなどに残っていたら、エンジンの熱で痕になってしまうぞ!
今回使用したオイルはキャンディーイチ推しの「YACCO・MVX RACE」。100%化学合成の高級オイルだ。
ちなみに交換したあとに走ってみると、その違いにビックリ! エンジンノイズが明らかに減り、シフトチェンジも滑らか! アクセルのツキも良くなった。
決して安いオイルではないけれど、その価値は十分にある。
フレームインオイルタンクの注油口からエンジンオイルを入れる。溢れないように、ゆっくり慎重に!
ひとまず規定量を入れたら、エンジンを始動。すこしアイドリングをして、エンジンにオイルを行き渡らせる。
オイルフィルターカバー上部にあるプラグからオイルが滲み出したら、エンジンオイルがしっかりと循環している証。エンジンを止めて、プラグを締める。
オイル量をチェック。
規定量内であれば、作業は終了! キャップをしっかりと締める。
見た目は変わらないけれど、エンジンは完全リフレッシュ! 今シーズンもガンガン走りますよぉ!