取材協力:ツーパーセンター
※2016年2月29日の記事を再編集しました。
各ショップで日々組み上げられるカスタムSRには、ショーモデルやデモマシンの一部を除き、そのほとんどでオーナーが存在する。当然、作られるマシンにはビルダーのセンスや技術が投入されるのだが、オーナーの意向も反映されていることは言うまでもない。そして、ここに紹介する1台である。いかにも2%erらしいオールドスクール感溢れるスタイリングだが、じつはオーナーの要望をそのままカタチにしたもの、とのこと。
マシンコンセプトは「ボバー」。車体をローダウンし、シートレールを加工。ヘッドライト周りや大きく垂れ下がったハンドルが、オールド感を演出している。ベースは紛うことなきSRだが、まるで半世紀も前からそこにあったかのような雰囲気は、2%erだからこそといえるだろう。だが、これは前述のとおり、オーナーの要望をそのまま実現したもの。ビルダーの山口さん曰く「お客さんと相談しながら、各部を製作していった」。なかでもとくにこだわったのが、ワンオフのステップやハンドルバーで、実際にオーナーに跨ってもらい、最もラクなポジションで仕上げた。こうしてスタイリングも乗り心地も最高な1台が完成したのだ。
顧客のオーダーを確実にカタチにしながらも、ショップカラーもキチンと出す……これもまた、プロのビルダーに求められるスキル。趣味で愛車をイジるガレージビルダーとの決定的な違いといえよう。
ナセルカバーはハーレー用パーツを加工。ヘッドライトはスクエアライトを縦付けとすることで、個性を高めている。
絶妙なタレ具合を見せるハンドルバーは、ワンオフで製作されたもの。
くくりつけられたブランケットが、アメリカン・オールドバイカーを思わせる。粋な演出だ。
ワッセル製ピーナッツタンクはデッドストック。加工して取り付けられている。
シートレールだけでなく、フレームにも加工を施すことで十分なローダウンを実現。シートはもちろんワンオフだ。
ミッドハイステップはオーナーに合わせてワンオフ。ハンドルと合わせて、絶妙なライディングポジションを生み出しているとのこと。
エキパイ、サイレンサーともにステンレス製ワンオフ。フレームに沿った取り回しで、アップサイレンサーがボバーらしさを増している。
Custom Spec
エキゾーストパイプ:ステンレス ワンオフ/サイレンサー:ステンレス ワンオフ/キャブレター:FCR39/ヘッドライト:ハーレー用TINカバーを加工とりつけ、角ライトを縦づけ/ウインカー: ガイドレプリカ/電装ボックス:モーターロック製加工/ハンドルバー:手曲げワンオフ/ハンドルポスト:ハンドル直付け/Fブレーキキャリパー:グリメカ/シート:ワンオフ/ステップ:ワンオフミッドハイ/フューエルタンク:デッドストック ワッセル製ピーナッツ加工取りつけ/フロントフェンダー:ワンオフ/リアフェンダー:ワンオフ/フロントフォーク:3cmローダウン加工/リアサスペンション:280mmG-サスペンション/Fホイール:19inch/Fタイヤ:デッドストック ミリオン社 ロードグリッパー(サイズ 3.25-19)/Rタイヤ:シンコー クラシック(サイズ 5.00-16)/クランク:500/シートレールドロップ加工 ……etc.