取材協力:オレンジブルバード
写真:井上 演 文:佐賀山敏行
※2015年10月27日の記事を再編集しました。
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カフェレーサーを得意とするオレンジブルバードが作り上げたのは、じつに美しい一台である。
もともとリタマンクスタンクにシングルシート、さらに50sフライスクリーンを装着していたとのことで、ライト周りの作業中にオリジナルOMCハーフカウルを仮付けしたところ、オーナーが気に入って装着したという。その結果、ますます完成度を高めたマシンの、その詳細を見ていこう。
フューエルタンクはアルミの素材を生かしつつも、メインカラーにブリティッシュカフェレーサーらしさを増幅させる“オールドイングリッシュホワイト”を採用しており、ハーフカウルも同色をペイント。カスタムビルドにおいてペイントは、マシンの良し悪しを左右する最も重要なポイントであることは、当サイトで何度も伝えたとおり。このマシンもやはり、外装カラーやグラフィックデザイン、そしてそのクオリティに十分こだわっていることがよく分かる。
スタイリングだけでなく、走行性能もアップさせている点も見逃せない。リアサスペンションはもちろんのこと、フロントインナースプリングにもオーリンズを採用し、フロントのブレーキキャリパーとマスターシリンダーにはブレンボをチョイスしている。クラシカルな雰囲気を大切にしつつも、純正を上回る走行性能をが与えられているのである。また、エンジンに目を移すと、排気量はあえて400ccのままでオリジナル・ヘビーフライホイールを装備。乗り味を変えることで、単気筒の楽しさをより向上させている。
美しさを追求しつつ、走りの面でも決して妥協はしない。これぞカフェレーサー……そう言える秀作である。