取材協力:エムアンドエムズ モーターサイクル
写真:編集部 文:佐賀山敏行
※2016年9月8日の記事を再編集しました。
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’60〜’70年代のアメリカンモーターシーンを、H−DではなくYAMAHAやKAWASAKI、ときにはBSAやBLUTACOといった“アメリカン”以外のブランドで作り上げるのが、神奈川県座間市に拠点を置くM&M’sモーターサイクルだ。同店ではこれまで流行に左右されることなく、SRをベースにしたストリートトラッカーや250TRベースのVMXカスタムなどを多数作り出してきた。ここに紹介するSRもまた、そんな同店のコンセプトに沿ったものである。
イメージしたのは’60年代のスクランブラースタイル。ビルダー・御林さん曰く「1960年代までの市販ロードモデルをもとに、さまざまな用途(ロードレース、デザートレース、ダートトラック、トライアルなど)に合わせてドレスアップやチューニングを施していた時代のカスタム手法をSRで再現しました」とのこと。最近はSRのVMXスタイルが盛り上がっているが、同店が作るのは「モトクロッサー」ではなく、あくまでも公道をメインに、ちょっとしたフラットダートも走れるという「スクランブラー」だ。そのため、過度なリフトアップは施さず、SRらしさを十分に残したスタイリングとなっている。
「古き良きアメリカ」と「ダート」にこだわり続けたM&M’sのひとつの完成形……そう言っても決して言い過ぎではない。同店の高いセンスをまざまざと見せつける1台だといえよう。