取材協力 : カスタムハウス スティンキー
写真 : 井上 演
文 : 佐賀山敏行
※2018年10月27日の記事を再編集しました。
1983年に開業し、SRやカフェレーサーにこだわり続けてきたスティンキー。その原点ともいえる1台がここに紹介するモデルだ。同店代表・荒木さんの愛車で、1990年に製作されたというこのマシンは、完成から30年近く経とうというのに、そのスタイリングに古臭さはまったく感じられない……。むしろその美しさや細部に至るコダワリには、近年のカスタムにはない新たな発見を見出せるほどである。
ベースとなったのは1981年式SR400。前後ホイールはノーマルながら、リムにブラックアルマイトを施すことで精悍なイメージを演出している。そしてスイングアームは同店オリジナル・ロングタイプを採用。短めのシングルシートも相まって、リアビューに迫力をもたらせている。また、フロントブレーキはブレンボなどで強化されているが、大径ピストンを持つ2ポッドキャリパーを採用するなど、ルックスにも十分にこだわっている点も見逃せない。必要以上に豪奢なパーツはつけていないが、しかし、シングルスポーツとして「走る楽しさ」を追求することも忘れない。足周りだけを見ても、スティンキーの哲学が十分に伝わってくる。
そして、やはり気になるのが外装である。フューエルタンクは同店オリジナル・アルミタンクタイプ4、シングルシートもオリジナル・タイプ2をチョイス。パイプワークが美しいヘッドライトステーも相まって、マシンに軽快なイメージを与えている。また、フレームを含めて、落ち着いた赤を基調としたペイントワークを採用している点にも注目。存在感を発揮しながらも、マシンはコンパクトかつ大人の雰囲気を醸し出す……このバランス感覚こそが流石スティンキー、といったところか。
さて、SRカスタムでは老舗中の老舗であるカスタムハウス・スティンキー。しかし、代表の荒木さんは気さくな人柄で根っからのSR好き。お店は富士山や山中湖も近い絶好のツーリングコースにあるので、ぜひ一度、ツーリングがてらお店にも遊びに行って欲しい。きっと美しいSRカスタムたちが出迎えくれるだろう。
美しいパイプワークを見せるライトステーに注目。ヘッドライトはクラシックライトで、フレームと同色に塗られている。
オリジナル砂型トップブリッジがコックピットの質感を大いに高める。ノーマルを流用したメーター周りも見逃せないポイントだ。
フロントホイールは純正19インチをベースに、ブラックアルマイトでイメージを一新。フロントフェンダーはステーがスタビライザーの役割も果たすオリジナルの逸品。クラシカル感と性能強化を両立させたブレーキ周りも流石の仕上がりだ!
アルミタンクは同店オリジナル・タイプ4。数十年間変わらないフォルムだが、現代でも十分に通じる美しさである。
ソロシートも同店オリジナル。SRのコンパクトさをさらに強調させるアイテムで、こちらはテールランプを埋め込み加工している。
ブラックアウトされたマフラーは、ショートデイトナEX set。短く図太いサイレンサーがスポーティーな雰囲気を醸し出す。
同店の人気アイテム・オリジナルスイングアームを装着。こちらはロングタイプで、乗り味の変更はもちろん、車体シルエットを整えるのにも一役買っている。。
無機質な表情を見せるバックステップが、このマシンの性格を強烈に主張している。
エキゾーストマフラー:ショートデイトナEX set/キャブレター:VM/ヘッドライト:クラシックライト/テールランプ:ITテール/ウインカー:CB72タイプ/電装ボックス:ワンオフ/トップブリッッジ:オリジナル砂型/Fブレーキキャリパー:ブレンボ 2ポッド/Fディスクローター:TZ純正/Fブレーキホース:アールズ/Fマスターシリンダー:デイトナ/オリジナルシングルシートタイプ2(テールランプ埋込み加工)/ステップ:BRS/フューエルタンク:オリジナルアルミタンクタイプ4/フロントフェンダー:オリジナルクラシカルスタビライザー(アルミフェンダー付)/オリジナルロングスイングアーム/前後ホイール:ノーマルリム(ブラックアルマイト)/ ……etc.