取材協力:フレークス
文:佐賀山 敏行
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SR400/500の数ある魅力のひとつにカスタムがある……ということに異論を挟む読者は少ないだろう。カフェレーサーにハイパフォーマンス、トラッカーやVMX、チョッパーなど、スタンダードなシングルモデル故に、あらゆるスタイルに変化させることができる。
そして、時代によってSRにはスタイルの流行があるのだが、15~10年ほど前に隆盛を極めたのがチョッパースタイル。SRはロードスポーツのため、より完成度の高いシルエットを実現するために、シートレールのカットや加工を施すマシンが少なくなかったが、それが最近は、やはり走りの楽しさを追求したり、シングルスポーツとしてのルックスに戻したいというオーダーが増えてきたという。
そこで愛知県に拠点を置くフレークスがテストマシンとして作り上げたのが、ここに紹介する1台だ。
一見するとカフェスタイルのハイパフォーマンスカスタム……しかし、シートレールをよく見てみると、ドロップしていることがわかる。そう、このマシンでは加工されたシートレールはそのままに、ワンオフシートカウルと、それに合わせたアルミシートレールを作ることで、ロードスポーツ然としたスタイリングを手に入れているのだ。
もちろん、シートレールにはドリルド加工を施すなど、見た目にもこだわっていて、違和感はゼロ。むしろシート周りにカスタムマシンとしての華を添える役割を担っている。
同店のテストマシンだけあり、注目すべきはシートレールだけに止まらない。
フロントフォークとスイングアームはNSR250を流用・加工。前後ホイールにはゲイルスピードは履いている。スイングアームにはショート加工を施すなど、コーナーリング性能には絶大な自信を見せている。
また、ステムシャフトはワンオフで、ジュラルミン中空加工が施され、リアサスペンションのナイトロンはレートを変更。
ちなみに軸重は前後でほぼ50:50を実現しているそうで、乾燥重量は約120kgとのこと!
当然、エンジンにも手が入っており、排気量は399ccのまま、軽量フライホイールを使用し、高回転までふける仕様になっている。
外装やブレーキなど、注目すべきポイントは他にもあるが、ありすぎて書ききれない!
ちなみに足周りのセッティングはまだまだ現在進行形で、完全には納得できていないそう。そして、車体周りに納得ができれば、本格的なエンジンチューンに着手するとのことだ。
つまり、このマシンはまだまだ進化の途中……果たしてゴールはあるのだろうか?