僕の新しい愛車となった88年式SUZUKI GSX-R750は、スズキがやる気満々出したスーパースポーツだけに“走る”以外の機能を本当のホントに排除した潔すぎるモデルだ。
そのくせ、黎明期のスーパースポーツだけあって、ハンドルが低くて遠く、だけど旋回はリア荷重と乗りにくかったりする(笑)。でも、そんな乗りにくさも「自分が乗りこなしてやるぜ」とバイク乗りにありがちな『Mっ気』を妙にそそる、なんともイカしたバイクなのである。
まぁ、走りに徹しているのはいいのだが、やっぱりナビくらいは欲しい。
ところがこのマシン……ハンドルとアッパーカウルのスペースがギリギリで、スマホをつけるスペースが一切ないのだ! ナインゲート店主・細井さんに言われて、ハンドルを左右に振ってみると、たしかにギリギリ!!
余計なスペース(=カウルを大きくする)はレースの邪魔……いや、それはわかるんだけど、もうちょっと余裕が欲しかった。だけど、そもそも当時はスマホなんてないし、バイクにナビをつける発想なんてなかったんだから、仕方がないっちゃ、仕方がない。
「こりゃ諦めるしかないか」と思っていたのだが、よくよく見ると……
カウルのステーにBeeLine Motoのステーがつけられるんじゃね?
BeeLine Motoとは、僕がXR BAJAやRural Racerにつけているコンパクトナビ。とっても使いやすいのでおすすめだ!
いまXR BAJAにつけているミラー用マウントをココにつけられると思ったのだ。
ちなみにそのステーがこちら↓↓↓↓
ちょうどナインゲートにオーダーしていた油温計が入荷したとのことなので、細井さんに相談してみよう!
事情を説明すると「ふむふむ……」と細井さん。早速、僕が持参したマウントのサイズを測り、ステー周辺のスペースを測る。
結果「マウントの後ろ部分が入らないですね」とのこと。がーん!! いくらなんでもタイトに作りすぎだよ、スズキさん(笑)。
あまりにもショックを受けている僕を見て不憫に思ったのか、しばらくGSX-R750を見ていた細井さんがおもむろにBeeLine Moto本体を持ち……
「ステーを作って、トップブリッジにつけられるようにします?」。
おぉ、細井さん、あなたは神か! そのアイデアで行きましょう!!
というわけで、早速作業に取り掛かる細井さん。鉄のパイプと小さい板を切ったり、穴を開けたり、削ったり。
「車体を置いていってくれたら、きれいに仕上げますよ」と言われたが、「今日乗って帰る!」という僕のわがままのため、サクッと作ってくれた。
「とりあえず、こんな感じ」……おぉ、テンションが上がる! OKです、細井さん!!
サビ予防を兼ねて、缶スプレーでブラックに塗装。
乾くのを待つ間に……
油温計の取付けだ。
チョイスしたのはデイトナ製AQUAPROVA(アクアプローバ)。シンプルかつコンパクト。無駄を廃したGSX-R750のコクピットによく似合う逸品だ。
場所はトップブリッジの上。配線の取り回しを決める。
じつはこのマシンは、もともと同じ油温計を装備していた。その時の配線がそのままなので流用する。
絶縁テープで封印していた油温計の配線を復活!! カプラーを装着する。
カバーやクランプできれいに処理。この処理をしているか、していないかでバイクの雰囲気は大きく変わるのだ。
エンジン始動! 動作確認OK!!
両面テープで油温計を固定し、シートなども元に戻す。
ステーも装着! BeeLine Moto用マウントを装着し、さらにBeeLine Moto本体を取り付ける。
これでGSX-R750でナビが使えるようになった。うれしー!
ナビと油温計、ついでに右ハンドル根元にウォッチがついて、すっかり賑やかになったGSX-R750のコクピット! これでツーリングの不便も、夏場の不安も解消!!
これからガンガン走りまくりますよー!