取材協力:デルスラーラ広島
写真:伊勢 悟(COLORS) 文:佐賀山敏行
※2017年5月16日の記事を再編集しました。
—
自分が思い描くスタイルを愛車に投影する行為が「カスタム」であり、人によっては確固たるスタイリングがあり、はじめから完成形を作り上げる者もいるだろう。しかし、多くの人にとって、カスタムとはコツコツと作り上げるものではないだろうか? また、製作途中で気持ちが変わり、つねに変化を繰り返し、未完のまま、いつまでも乗り続けるというのも、よく聞く話である。
ここに紹介するのもまさにそんな1台で、デルスラーラ広島がオーナーとともに10年を掛けて作り上げたという。そのコンセプトは「ネオクラシック」だ。
トラディショナルなシルエットを持ちながらも、豪奢な足周りや同店オリジナル・スレンダーボーイマフラーなどで現代的なディテールも装備。さらにフロントカウルにはストリート感の強いチャックボックス製アウトサイダーロケットカウルを採用するなど、要所に「脱・クラシック」が見てとれる。ペイントはブラックで統一するなど、パーツの豪奢感とは相反するように、ひと目見たときの印象を派手になりすぎないようにしている点にも注目。スポーツ性能はアップしつつも、あくまでもクラシカル路線! ハイパフォーマンスとの“微妙な間”をみごとに表現したカフェレーサーである。