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2022.09.22

MOTO TIMES/1993 YAMAHA SR400 “Rural Racer”/No.320

取材協力 : モトタイムズ

写真 : 井上 演  

文 : 佐賀山敏行

MOTO TIMES/1993 YAMAHA SR400 “Rural Racer”/No.320

※2021年12月12日の記事を再編集しました。

この10年の進化の果てをあらためて紹介!

ここに紹介するのは、当サイト読者であれば、おそらくご存知であろう僕(当サイト編集長・SAGAYAN)の愛車。2台あるSR400のうち、1号機である“Rural Racer”だ。2010年にM&M’sモーターサイクルで購入し、2011年に当サイトで紹介しているのだが、あれからいろいろと追加カスタムを施し、今に至る。

10年前から基本コンセプトは変えていないのだが、それでも当時とは大きく変わった部分も多いので、今回、あらためて紹介させていただく。

まず、大きく変わったのはエンジンだ。フルオーバーホールをきっかけに、シリンダーを井上ボーリングのアルミメッキシリンダー「ICBM®」に換装。これからも末長く乗るためにも、高耐久の同製品には期待大である。

そして、クランクシャフトには同じく井上ボーリングの軽量斧型クランクType2。約7.6kgの純正クランクが約5kgに軽量化された効果は大きく、ハイカムやCRキャブも相まって、8000回転以上も回るエンジンに仕上がった。

ちなみに、最高出力は後輪で32PSを超えている。

排気量は399ccのままで、この高回転・高出力エンジンは「楽しい!」のひとこと。古い空冷2ストロークエンジンのような、荒々しさを放ちながら回っていくエンジンフィーリングがたまらない。

フューエルタンクやシートなどは11年前から変わっていないが、ハンドルバーはドラッグタイプからコンチハンドルにチェンジ。上半身はややラクになったが、代わりに(?)、ステップは純正バックステップからgloss製に変更し、下半身のポジションは少しだけレーシー度を増した。

フロントフォークはもともとは1.5cm突き出していたが、純正比3cmローダウンのショートスプリングを装備することで突き出し量はゼロに。マシンシルエットは変わっていないが、ステム周りのスッキリ感はアップ。リアサスペンションは純正をベースにスプリングをハイパープロに換装することで、走りの質を高めている。

ちなみにエンジンOHやキャブレター、前後サスなどのセッティングは、ハイパフォーマンスカスタムを得意とするナインゲートが担当。FRP外装による超軽量車体もあって、素晴らしい性能を発揮するマシンへ昇華した。

スタイリングはオーナー(つまり僕)の理想のものなので、納車時からほとんど変わっていない。この10年で、エンジンや吸気、ライディングポジションを見直すことで、さらに僕の理想とするマシンに近づいた。

ただし、カスタムに終わりはないとはよく言われること。おそらくRural Racerも、基本コンセプトは変えずに、これからも細かな進化を続けていくのだろう。

[Detail]


ハンドルバーはコンパクトなコンチハンドルをチョイス。幅が狭く、低めなのでスポーティーなライディングポジションとなる。ブラックアウトされていて、精悍なイメージも◎!

 


フルオーバーホールを機に、その性格を大きく変えたエンジン。「70年代 USカフェレーサー」というマシンコンセプトに相応しい、荒々しくどこまでも回る元気なエンジンに仕上がった。排気量はあえて399ccのままで、自称「世界で一番楽しいSR400エンジン」だ。

 


エンジンOH前は純正仕様だったのでデコンプレバーなしでもキックを下ろせたが、OH後は圧縮比が上がり、デコンプなしではとてもかけられなくなったためにデコンプレバーを装備。しかし、ハンドル周りをスッキリさせたかったので、ポッシュフェイス製をヘッドに装着した。

 


オイルフィルターカバーはKEDOをチョイス。もともとはメッキがかかったピカピカのカバーだったのだが、マシンの雰囲気に合わないため、KEDOに交換した。

 


マフラーは納車時から変わらず、現在もスーパートラップ4インチを装着。しかし、エンジンとキャブレターのレベルアップに伴い、皿の枚数を変更している。

 


純正バックステップが劣化したため、gloss製バックステップに交換。ポジション的には純正がよかったのだが、ご存知の通り、SRの純正パーツは異様に高い(泣)。そこで、ポジションがあまりキツくなく、クラシカルなデザインのglossをチョイスしたのだ。
ちなみにglossとは、SRの名店「オフィシャル」のオリジナルパーツをPOSH Faithが受け継いで発足したブランド。トラディショナルかつオシャレなデザインで人気が高い。

 


プログレッシブ→Gサスペンション→デイトナ製ガスショック→純正という変遷を辿ったリアサスペンションだが、現在は純正+ハイパープロで落ち着いている。

 


シンプルかつレーシーなリアビューはお気に入りのポイントだが、テールランプの振動が大きく、すぐに球切れを起こしていた。そこでデイトナ製LEDをベースに、中の配線などを強化。耐振性をアップした。

[Custom Spec]

フューエルタンク:M&M’s 70’sタンク(廃盤)/シート:M&M’s製ワンオフTTシートカウル/フロントフォーク:デイトナ製ローダウンフロントフォークスプリング/リアサスペンション:純正+ハイパープロ製スプリング/エキゾーストマフラー:スーパートラップ4インチ(艶消し黒塗装)/スピードメーター:ポッシュ製クラシックメーター/ハンドルバー:スラクストン製コンチハンドル/テールランプ:デイトナ製LED/ウインカー:EXミニウインカー/ヘッドライト:4.5インチベーツタイプ/デッドストックスタビライザー/デッドストックグリップ/井上ボーリング製アルミメッキシリンダー(ICBM®)/井上ボーリング製軽量斧型クランク/カムシャフト:ヨシムラジャパン製ステージ1/ピストンワイセコ/POSH Faith製デコンプレバー/キャブレター:ケイヒンCRφ33/K&N製パワーフィルター etc. ……etc.

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