こんにちは
今回は2%ERがお客さんたちにオススメしている12ヶ月点検の作業のこと。
整備作業のことを詳しく長々と書きそうなので、そんなのメンドくさーいって方は⇒YOUTUBE 2%ERチャンネルでもご覧になってもらえるとうれしいです! 整備好きな方やご自身で整備されたい方はゆっくり読んでご参考にしてみてください。
なんでかな?カスタムをたくさんしているお店って整備や修理、メンテナンスに弱いイメージがあるらしいですね。 だからって訳ではないんですが今回は、2%ERが1年間に1万キロ以上走行されるお客さまにお奨めしている12ヶ月点検整備のことを書いていきますね。
ドナーはこの車輌、古巣のCHUCKBOX時代に深く関わったT本くんのSR400カフェレーサー。
17年前に新車で購入していただき少しづつカスタムが進んで今はこんな状態です。遠距離の通勤にも使用されていてるので今回の整備となりましたよ。
ではではいつもの「2%ERのSR400/500車検整備」より少しメニューの少ない「12ヶ月点検整備」開始でーす!
まずは弱点の多いリア周りから。
特にスイングアームピボットとリアブレーキ/ハブクラッチを重点的に診ていきます。
まずはスイングアームをバラしてシャフトやブッシュ、ベアリング類の点検です。
もちろんフレーム側のピボットシャフトの受け側も点検しておきますね。
スイングアームピボットはトルクの大きいSR400/500の弱点でして、故障すると危険だし、修理にかかる費用も大きいので、特に屋外保管の方やアクセルの扱いが急な方、高速を走り続ける方はだいたい1万キロくらいで点検するのがいいと思います。
各パーツを洗浄して磨耗度合いをチェックし、高荷重性、高対候性、水分に強くすこし固めのグリスを必要カ所にしっかり塗布して組み付けしていきます。
2%ERでは信頼性バツグンのBOSTIKとワコーズのモリブデングリスを3;1で混ぜて組み付けしていますよ。
このグリスを使っていれば、いつも変わらない姿でスイングアームの固着とは無縁になります! あ、あとロックナットは新品に交換して規定トルクで締め付けです。
続いてリアホイール。跨って左側のスプロケットハブ(ハブクラッチ)のオーバーホール。
このカ所も、スイングアームピボットと同じくもし部品交換の修理になると費用がかなり大きくなるのでしっかり整備しておきます。
スプロケットハブやハブダンパーを取り外し、まずはクリーニングして状態を把握。
パーツ洗浄台で部品をひとつひとつ洗浄しながら点検し、
グリスがしっかり乗るように脱脂をして、この箇所もBOSTIKのグリスで組み立てしていきます。
ここでひとつ注意点。
スイングアームピボットやスプロケットハブに「グリスニップルからグリスを差せ」ってよく言われますが、しっかりしたグリスを使ってちゃんと組めばそんな必要は無いです。スイングアーム側は入れすぎると裏側のオイルシールがグリスの圧で抜けちゃって、そこから水が入って逆効果。かなり短命になります。
ハブクラッチ側は全体にまんべんなくグリスが廻らずに、ゴム製のハブダンパーの1部にグリスが乗って逆効果となります。 しっかりした整備をするにはバラして必要カ所に必要分のしっかりしたグリスを塗るのがベストだと思いますよ。
で、ホイールベアリングがゴリついていないか点検、
そのあとリアブレーキのオーバーホールです。
汚れたドラムをクリーニングしてライニングの磨耗具合を点検。
パネル側もしっかり点検しながら洗って組み付けです。 ブレーキシュー、交換しないときは面取り、清掃をしてからリーディング、トレーディングシューをそれぞれ組んであった通りに組み付けです。
でね、このへんの作業が終ればリアホイールを振れ取り台に載せて、
で、リアタイヤのミゾがかなり減っているのでオーナーT本くんに判断してもらうために写真を送って返事待ち……。
バランスウェイトを取り外してホイールスポークを増し締めしておきます。
今回の車輌のようにH型アルミリムを組み付けた場合、走り方にもよりますがだいたい3~4000kmでいちど増し締め、10000kmくらいでもういちど増し締めしておくと、その後はほぼ緩まないですよ。リムはアルミ、ニップルはスチール。なので負荷がかかり続けて”緩む”っていうよりは、アルミが座って馴染む感じなのかな?ま、いずれにしろ増し締めは必要ですね。
いろいろと点検してリアホイールを組み立て終えればリア周りの点検整備は完了です。