取材協力:ベルトランモーターサイクル
写真:編集部 文:佐賀山敏行
※2015年07月20日の記事を再編集しました。
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ロードスポーツとしてのSR本来の性能を追求し、走る楽しさを前面に押し出したハイパフォーマンスカスタムは、数あるカスタムジャンルのなかでも人気の高いものである。大阪府堺市に拠点を置くベルトランは、そんなハイパフォーマンスに定評のあるショップだ。
ここに紹介するマシンも、SRらしさを残しつつ、足周りとエンジンに適度なチューニングを施した1台である。ベースとなったのは1998年式SR400で、フロントフォークはCBR600RRを流用加工、スイングアームは同店の人気アイテム「角スイングアーム30mmロング」を装着。ホイールはキャスト化され、当然ながら前後ともディスクブレーキ化。キャリパーは王道のブレンボをチョイスしている。リアサスペンションはホワイトパワーだ。
エンジンに目を移すと、SOHC製φ90ピストンに500純正クランクを組み合わせて排気量は595ccにまでアップ。ヨシムラST-2カムやFCRキャブレターでレーシーなレスポンスが期待できる。シリンダーはデイトナ製ビッグボアで、ダイヤモンドコーティングペイントも相まって、エンジン外観は豪奢なものとなっている。
対してシートはシンプルなセミダブルで、フューエルタンクは純正にエグリ加工を施したもの。前後フェンダーはカーボンだが、デザインはむしろシンプルなものだ。足周りやエンジン周りのレーシーかつ豪快なイメージとは相反し、外装はシンプルにまとめることで、SRらしさを残している。これまで数多くのハイパフォーマンスSRを作ってきたベルトランらしい、高いセンスを感じさせる仕上がりだといえよう。
走る楽しさと性能を求めつつも、SRが持つスタンダードバイクとしての魅力も損なわない。ベルトランのワザが活きた1台である。