取材協力:バイクガレーヂ スラクストン
※2015年3月26日の記事を再編集しました。
バイクガレーヂ スラクストンは不思議なショップだ。セパレートハンドルのハイパフォーマンスカスタムを作ったかと思えば、トラディショナルなカフェレーサーも製作する。かつてはSRでいち早くストリートトラッカーを作ったし、時にはシートレールをドロップしたチョッパーだって完成させる。流行に乗るかと思いきや、まったく逆方向のマシンを堂々と発表することもある。まったく一貫性がないように思えるが……じつは1点だけある。そう、それらすべてはSRがベースということだ。同店の最新作もそんなスラクストンの反骨精神、遊び心が十二分に発揮された1台だ。
ここ最近、すっかりSRカスタムではダート系が人気なのだが、それらはビンテージスクランブラーやかつてのストリートトラッカーをイメージしたもの。今回、スラクストンもトラッカーをコンセプトにしているが、その趣はまったく異なるものだ。フロントフォークと三つ又にはMT-09を流用し、シートレールを大胆にカットしてワンオフアルミフレームを装着。リアサスペンションはオーリンズで、純正と大きくイメージを変えた豪奢な車体を作り上げている。さらにホイールはスポークとすることでダートトラッカーらしさを演出し、タイヤはもちろんK180。フューエルタンクとシートも雰囲気を盛り上げる一因となっている。
それでいてハンドルバーは低いコンチハンで、バックステップを採用している点も注目すべきだろう。あくまでもこのマシンは公道を走るパフォーマンスカスタム! そんなビルダーの意思をひしひしと感じるセットアップとなっている。
SRでとことん遊ぶ!! バイクガレーヂ スラクストンのSRに対する姿勢……それがしっかりと見て取れる秀逸なパフォーマンスマシンである。
ハンドルバーはオリジナルコンチハンドル。キジマ製MAGミラーはSRカスタムではまず見ることのない逸品。こうしたチョイスも秀逸だ。
フューエルタンクは同店によるワンオフ。スポーツスタータンクをイメージしたフォルムで、パールホワイトが美しい。
フロントフォークはMT-09を流用。思いもよらないパーツを選ぶところに、同店の遊び心が見られる。
排気量は427ccと抑えめ。しかし、その内部には多数の加工が加えられているとのこと。
エキゾーストはオリジナルメガホンを装着。キャブレターはFCRφ39だ。
シートレールを排除し、アルミワンオフフレームを装着。独特の雰囲気を醸し出す。
スイングアームはSRV用を加工して装着。リアサスペンションはオーリンズだ。オイルクーラーのマウント位置も注目すべきポイントである。
リアブレーキもディスク化されている。
Custom Spec
エキゾーストパイプ:オリジナルメガホンマフラーブラックメッキ改/キャブレター:FCR39/ヘッドライト:キジマ製クラシックライト/テールランプ:キジマ製キャッツアイテール/ウインカー:LEDスモールウィンカー/電装ボックス:ワンオフ/ハンドルバー:オリジナルコンチハンドル/ハンドルポスト:SR用改/トップブリッジ:MT-09改/ミラー:キジマ製MAGミラー/スピードメーター:エースウィル/Fブレーキキャリパー:ブレンボ ラジアル/Fディスクローター:サンスター/Fブレーキホース:スウェッジライン/Fマスターシリンダー:ブレンボ RCS/Rブレーキについて:ディスク化(ブレンボ キャスト)/シート:オリジナル・デリラーレシート改/ステップ:ボアエース製バックステップ/フューエルタンク:ワンオフ/フロントフォーク:MT-09/三つ又:MT-09 ひぐち研磨仕様/リアサスペンション:オーリンズ製レジェンドツイン スラクストン別注/スイングアーム:SRV加工仕様/前後タイヤ:K180/カムシャフト:ヨシムラST-1M/ピストン:シフトアップ 田中新二仕様/エンジン内部多数加工/ワンオフアルミシートレール/メインフレームスムージング&補強 ……etc.