取材協力:デルスラーラ ver.広島
文:小川伸晃
※2017年12月20日の記事を再編集しました。
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ハイパフォーマンス系カスタムと並び、デルスラーラ広島が得意とするのがVMXやスクランブラーといったいわゆる土系カスタム。このマシンも一見スクランブラー風にカスタムされているが、細部をよく見ると、土系カスタムらしからぬパーツがチラホラ……実はこちら、元々同店が手がけたハイパフォーマンスカスタムSRを、大胆にイメージチェンジした一台なのだ。
「林道ツーリングに行ってみたい」というオーナーの希望に応えてモディファイされたこのSR。タンクやシートなどの外装類を一新し、フロントフォークはジョイントで延長することで車高を上げ、みごとにスクランブラーらしいシルエットを作り出している。しかし、各部に目を向けて見ると、ブレンボキャリパーにサンスターのローターという王道の組み合わせからなるブレーキ周りやWM製の角スイングアーム、そしてオイルラインやビッグフィンなどメカメカしさが目立つエンジンなど、随所にハイパフォーマンス系カスタムの名残を感じさせる。そんな2つの要素が混じり合うことで、ハイテックな雰囲気をまとったスクランブラーという、これまでになかったオリジナリティあふれるマシンに仕上がっているのだ。
また驚くべきことに、元々ついていたハイパフォーマンス系パーツを下取りに出すことで、追加費用なしでここまで大幅なイメージチェンジを実現したという。ハイパフォーマンスカスタムの良さを残しつつ、限られた予算内で今までにないスクランブラーSRを作り出したとは脱帽だ。同店の技術と卓越したセンス、そしてオーナーの“やる気”によって完成した天晴な一台だといえよう。