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特集
2017.02.25

ESSAY…井上ボーリング 井上壯太郎/「恒例極寒ツーリング」

ESSAY…井上ボーリング 井上壯太郎/「恒例極寒ツーリング」

なぜか寒くなるとバイクに乗りたくなる
というおかしな衝動があるんです

 

 

一年で一番寒い1月末にSR-ICBM® for VMXに乗ってツーリングに行ってきました。

真冬でもバイクに乗れる関東地方は恵まれてますよね! そのせいか、寒くてたまらないこの時期になるとなぜかバイクに乗りたくなってしまうんです。ひとつには、それはこの冬の最も寒い時期にバイクに乗れれば、あとは一年中いつだってバイクに乗って出かけられる! という自信のためなのかもしれません。年が明けて間もないこの時期に自分が今年も自由に生きている、そのことの確認作業なのだろうと思います。

 

道の駅 北川辺

思いの外晴れず寒い〜〜。

ここで合流予定地で会えたのはSLのかぶさんだけ。別のチームは早くも誰かヘッポコをやって修理中らしい。(^o^)

しかし、バイクというのはなんとも原始的なとんでもない乗り物だな、とあらためて思います。暖房も冷房も無けりゃ、エアバッグどころかシートベルトもない。

愉しい〜〜。(笑)

30分ほど待つと修理が終わってみんなが到着しました。

 


三県境。なんにもない?

合流後、バイクではなく歩いて移動し目指すのは「三県境」です。
ここは埼玉県、群馬県、栃木県と、三県の県境が接している場所なんです。だからどうしたと言われそうですが、県境というのはだいたい山の峰だったり、河の真ん中だったりに設定されていますよね。それが歩いて行けるところにあるというのは実はとても珍しいんだそうです。

いやまあ、そこまで行ったところで、なんにもないっていや〜なんにもないんですよ。
でも、こういう抽象的な概念を面白がれるっていうのが人間ならでは! ではないでしょうか?(^o^)

 


荒涼としたすすき野。整然としたポプラの並木。穏やかな遊水池。ここってなんだか北海道か外国にでもきたみたいなロマンティックな場所なんですよね〜。今回もまた冬のツーリング気分を満喫できました。

 


佐野ラーメンを食べに森田屋さんへ

ツーリングの醍醐味はB級グルメ!さっぱりした佐野ラーメン。森田屋さんのメニューは写真にあるだけ。このあとは伊勢崎まで利根川に沿って田舎道をずーっと走っていきます。

 



世界遺産 田島弥平旧宅

近年有名になった富岡製糸場と並ぶ世界遺産の田島弥平旧宅。蚕糸を安定して生産するためのさまざまな工夫をし、その技術を全国に伝え、さらにイタリアへの輸出も行った人なのだそうです。この家には今もご子孫が暮らしているのだとか。

日本ってほんと不思議というかすごい国だなあ、と思いますね。

 


和の世界からいきなりおフランスへ!

ここは関越自動車道上りの寄居SAなんです。なぜか「星の王子様」で有名なサン=テグジュペリを記念するテーマパークみたいになっています。サン・テグジュペリは若い頃から好きでした。先日は自分が大好きな、40年も着ている飛行服を着て「夜間飛行」の作者を記念するPAに行ったわけです。郵便飛行が冒険であり事業でありえたごく短い時代。これもエンジンの力の限界を試した男たちの物語でもありますよね。

「星の王子様」でもエンジンが壊れて砂漠に落ちたことが物語の契機になっています。自分が比較的よく行く方向の寄居のPAがこんな変わった施設になったのはいったいなんの偶然なのか。PAですからもちろん入場は無料。できればずーっと続いて欲しいので、関越の帰路にはなるべく寄るようにしているんです。

それにしてもSRで高速道路を走ったりするといつも感じるんですが、バイクで高速を走るというのとクルマで走るというのでは、こりゃまったく違う体験だな、と思います。

そう、バイクでの移動中、人はとんでもないほど大量の情報を受け取りながら走っているということを昨日は強く感じました。

たとえば飛んでくる木の葉一枚にも神経をつかっています。滑って転んだらたいへんなことになりますものね。クルマなら気にも止めないで走っていけるのに。

あるいはエンジンの音の変化・振動の変化・スピードの微細な増減・路面の感触・路面の傾き・登りくだり・前後の他車への気配り。そのように注意の必要なものがたくさんあるのに、さらに景色や光の変化・気温の変化・光の暖かさ・雲の動き・森の色・香り・匂いまでに神経が不思議と届いています。

それに比べるとまるで無菌室のように外界から遮断されて、ほとんどまどろみながら移動しているようなクルマでの移動の安佚さ。でも、それはほとんど寝ているような死んでいるような時間ではないのでしょうか。

一方、バイクでの移動ではあまりにも敏感に人は「生きている」!!

それは新幹線やクルマでの移動のほうがどこかオカシイんでしょう。バイクでの移動こそがもともと動物である人間が移動をする場合には必要な神経の集中や、いろいろな刺激とそれに対する適切な反応を当然のこととして要求してくるわけであって、これこそが本来の移動の体験のもつ意味であったはずではないのでしょうか。しかも、もともと人間ができる範囲の移動よりもはるかにその能力も体験も増幅されている。もちろんその分疲れもするんですが、でもそれは、その間我々がまさに「生きている」ことの証拠であって、これこそが「生きている」実感なのではないか! と僕はこのツーリングでもそんなことを考えていたのでした。

「エンジンで世界を笑顔に!」(株)井上ボーリング

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ICBM®の技術はシリンダーに鋳鉄スリーブとは比較にならないほどの革命的な超長寿命を与えて、そのことで旧いエンジンに長く大事に乗り続けていただきたい・旧いバイクを大事にしていただきたい、ということなんです。iBが掲げている基本理念にしっかりと沿った新技術・新製品になっています。現在はあらゆるエンジンに対応できるようになりましたが、特にSR用には完成品キットも用意してご用命をお待ちしています。

SR-ICBM®のシリンダーはShop SR Timesでもお買い上げいただけますので、ぜひご検討いただければと思います。

iBの得意技術ICBM®が登録商標になりました!
[I]noue boring [C]ylinder [B]ore finishing [M]ethodの略です。

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協力:(株)井上ボーリング

著者プロフィール
inouesotaro
(株)井上ボーリング
井上 壯太郎(いのうえ そうたろう)
創業63年、(株)井上ボーリング代表。エンジンのついた乗り物が大好き。仕事もエンジン、遊びもエンジン。トライアル・モトクロス・ロードレース。バイク以外ではボートを使って水上スキーやウェイクボード。現代世界はエンジンでできているのです!

 
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