なんでTL?
今回は日帰りで距離的にも高速を使うほど遠くへは行かないつもりだったので、あえてSRではなくTL125イーハトーブに乗ってきました。もともとトライアルバイクですからツーリングにはあまり向いていません。でも、原付2種の気軽さもまた悪くはないんですよね。
iBのある川越あたりから近場でツーリングというとやはり西向きに山へ向かっていくのが妥当です。峠でひらりひらりとオンロードバイクを走らせるのが好きな人も多いと思いますが、僕はやはり山の中で未舗装路に出くわした時に、そこから先を諦めなくてはならない、というのが我慢できないんです。それでどうしてもオフロードバイクを選んでしまいます。もちろん、公道で飛ばして走るのが好きではないというのも大きな理由です。iBのSR-ICBM® for VMXでもまったく不都合はないんですが、今回はさらに軽くて楽なイーハトーブにしてみました。
正丸峠
国道299を西へ。「正丸トンネルを通るのもなんだかなあ」なんて思っているとついついいつも旧道を通って正丸峠に登ってしまいます。
正丸峠の雰囲気については、以前に書いたblogがあるのでぜひ読んでみてください。
「iB blog 正丸峠のポールモーリア」
関東で天に最も近いパワースポット三峯神社
秩父まではいままでにもなんども来たことがあるんですが、今回初めて三峯神社まで登ってみました。秩父市内からは実は30kmほども離れているので、結構遠いんです。しかもずーっと急な山道。三峯神社は標高1100mの高所に位置し、最寄りの秩父鉄道「三峰口」駅から神社までのバス便が少ないこともあり、まだまだ人里離れた神秘的な雰囲気に包まれています。平成13年から16年に掛けての修理で、見事な色彩がよみがえり、細部の彫刻の美しさなど、まるで、日光東照宮の陽明門のようですね。三峯神社のご利益や来歴などはなかなか興味深いものがあるんですが、他でも多く紹介されているのでここでは省略しますが、やはり関東で最も高いところにある「天に近い」最大のパワースポットだということが印象的です。そこへ自分のバイクのエンジンの力を頼りに登ってくるわけです。非力なTLだと適切なギアを選んで、エンジンの回転を高く保たないと元気良く坂道を登り続けることができません。でも、それが愉しいんです! これはやはりバイクで訪れるのにとても適したデスティネーションだと言えると思うんです。バイクのよさが存分に味わえます。バイクで来てよかった。
もう一度、秩父市内へ
秩父駅からも近く秩父神社に接するロケーションにあったのが、こちらの泰山堂キャフェさん。古民家を改造したキャフェで実に落ち着ける店内。「ヌガーグラッセ」というスイーツが評判です。
ここでひとりでゆっくりしながら今回のツーリングについて思いを巡らせてみました。今回はひとりきりなので、あまり行き先も考えず「とにかく西へ」と走り出してしまいました。正丸峠に登ったのも気まぐれですし、三峯神社まで登ったのもまだ時間が早かったので少しだけ足を伸ばしてみようか、という程度の気持ちでした。でも実際に行ってみると様々な発見があって、ほんとうに愉しいんです。
やはりバイクの一番の魅力は「自由」ですよね。突然思い立って電車の走っていない夜中にだって走り出せる。どこでどっちへ曲がろうが自分次第。また今回みたいな下道のツーリングだと、ほんとうにお金がかかりません。燃費もいいので1日走り回って1,000円札一枚ほども費用がかかりません。つまり経済的にも時間的にもなにものにも縛られらない自由がひとりきりのバイク旅にはあると思うんです。TLのようなバイクは高速を除けば走れない場所がありません。山の中を走っていて倒木が道を塞いていても(ちょっと心得があれば)乗り越えてしまうことすらできてしまいます。今回のルートだと高速を使うという選択肢がないので、TLでまったく不自由を感じません。どんな大型バイクを仮に持っていたとしても、今回のルートだと少しもTLより速くは走ってこれないだろうと思います。
それに一番大事なのはTLのような小さなバイクだと、どこにでも停める自由もあるっていうことなんです。(都内などを除けば、ですけど)
どこにでも置けて、静かなので周囲を驚かすこともなく、ついつい寄り道したり停めて休憩したくなってしまうバイク。これが愉しいんですよね。大きいバイクだとどうもこのあたりが不自由でしかたがありません。僕は小さなバイクが大好きです。
それぞれのバイクの魅力
さて、その寄り道の最たるものが、今回実は行きがけにふっと立ち寄ったここなんです。ここは入間川の河川敷です。国道299の橋の上から見下ろしたらなんとも気持ちのよさそうな河原がひろがっていて、車を河原に止めている人もいる。「ああ!ここに行きたい」と思ってしまった僕は橋を渡るとすぐに脇道にそれて、ぐるっと回って河原に降りられる道を探し探し、とうとう道を見つけ出して河原にたどり着くことができました。注意深くあちこちチェックしてみたんですが、釣り人にたいする注意書きはたくさんあるものの、バイク(車)進入禁止とはどこにも書いてありません。ラッキー!
しばし玉砂利のような河原の石のうえでトライアルごっこ。ぽこぽこと車体を揺すられて、難しいんだけど、面白い!
僕はSRも大好きで、今回よりももうちょっと距離を伸ばすのなら絶対にSRを選びますけど、TLにはTLの良さもあるんですよね。SRでこの場所だと、やはりバイクを倒してしまうのがちょっと怖いです。その点TLだとそんなことは気にもなりません。やはりTLもとても愉しいバイクです!つまりそれぞれのバイクにぴったりのルートや行き先に合わせたバイクで出かけられたらそれが最高ですよね!
すぐにお尻がいたくなっちゃうのだけはTLは残念ですけどね。
「エンジンで世界を笑顔に!」(株)井上ボーリング
ICBM®の技術はシリンダーに鋳鉄スリーブとは比較にならないほどの革命的な超長寿命を与えて、そのことで旧いエンジンに長く大事に乗り続けていただきたい・旧いバイクを大事にしていただきたい、ということなんです。iBが掲げている基本理念にしっかりと沿った新技術・新製品になっています。現在はあらゆるエンジンに対応できるようになりましたが、特にSR用には完成品キットも用意してご用命をお待ちしています。
SR-ICBM®のシリンダーはShop SR Times でもお買い上げいただけますので、ぜひご検討いただければと思います。
iBの得意技術ICBM®が登録商標になりました!
[I]noue boring [C]ylinder [B]ore finishing [M]ethodの略です。
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協力:(株)井上ボーリング
著者プロフィール
(株)井上ボーリング
井上 壯太郎(いのうえ そうたろう)
創業63年、(株)井上ボーリング代表。エンジンのついた乗り物が大好き。仕事もエンジン、遊びもエンジン。トライアル・モトクロス・ロードレース。バイク以外ではボートを使って水上スキーやウェイクボード。現代世界はエンジンでできているのです!
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