取材協力:メイドバイスリーティーモーターサイクルズ
写真:小川伸晃 文:佐賀山敏行
※2015年12月03日の記事を再編集しました。
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長い歴史によって培われたトラディショナルなカスタムスタイルは、たしかに多くのライダーを虜にする。しかし本来、他にはない独自性やオーナーの個性を愛車に反映させるべき“カスタム”とトラディショナルスタイルの“お約束”は相反するものだ……。
メイドバイスリーティーが製作したのは、そんな「定番」と「個性」をみごとに両立させた1台。
一見するとクラシカルなカフェレーサーだが、細かなディテールを覗き込むと、現代的な味付けがされている。その最たるものがメーター周り。エースウェル製デジタルメーターを装着し、ロケットカウルが持つ雰囲気とは全く異なる印象を与える。ホーイルも前後スポークながら、ワイドリムを履くことで、トラディショナルとは一線を画す迫力を醸し出す。さらにリアブレーキにはTDR250のハブを流用し、ディスク化している点にも注目だ。
古きを求めながら、新しきを取り入れる……まさに「温故知新」の言葉がふさわしいメイドバイスリーティーによる良作。カスタムとはこうあるべき、というお手本のようなマシンである。