取材協力: ポッシュフェイス
写真:編集部 文:佐賀山敏行
※2016年02月07日の記事を再編集しました。
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ワンオフパーツやフレーム加工が当たり前となりつつある昨今のSRカスタムだが、じつはフレーム無加工という“制約”のなかでCOOLなフルカスタムマシンを作るということは、思いのほか、難しいものである。パーツメーカー「POSH」が製作したのは、まさにそんなフレーム無加工・ボルトオンの可能性を追求した1台である。
製作を担当したのは、以前当サイトの車検記事に登場いただいた細井さん(現ナインゲート代表)。曰く「コンセプトは『やりすぎない』こと。パーツメーカーとしての観点から、フレームに一切の加工はしない。足周りも大幅に改造することはしない。基本的にボルトオンパーツを用いて、それでいて“ハイテック”であること」。
果たして完成した車体は、まさに絶妙なバランスを保つハイテック・カフェレーサー。フューエルタンクはあえて純正のままで、「SRであること」をアピールし、前後ホイールはスポークながも17インチ化。強化されたフロントブレーキも相まって、ハイパフォーマンスな匂いを漂わせている。ハンドル周りも同様で、カフェらしさを演出しつつも、豪奢なトップブリッジに現代的なデザインのハンドルバー、さらに三連インパネがトラディショナルなイメージとは一線を画している。
ワンオフパーツも使用されているが、基本的にはボルトオンパーツで構成。SRカスタムのウィークポイントと言われるリアウインカー部分のフレームも、決してデザインの邪魔にはなっていない。
パーツメーカー「POSH Faith」が、“パーツメーカーだからこそ”作り上げることのできた力作……その底力を見せつける1台である。