取材協力:メイドバイスリーティー モーターサイクルズ
文:小川伸晃
アウトローなイメージが強いチョッパーの台頭で、今でこそ相対的に上品なイメージのあるカフェレーサーだが、元々はロッカーズと呼ばれる不良たちのバイクであるのはSRユーザーならご存知だろう。今回紹介するメイドバイスリーティーによるSRは、そんなロッカーズの不良性と、正統派カフェレーサーの上品さをみごとに併せ持った1台だ。
BSAタイプのフューエルタンクにルーカスヘッドライト、プレート付きのショートフェンダーなど、トラディショナルなパーツ群で構成されたこちらのマシン。ベース車両に前後ドラムブレーキの95年式を使用することで、より当時の雰囲気を感じさせる作りとなっている。しかし、単なる当時を再現した正統派スタイルで終わらないのがメイドバイスリーティー流。フューエルタンクには見る者の目を奪う真っ赤なユニオンジャックのカスタムペイントが施され、大胆に低くマウントされたセパレートハンドルやガンメタにペイントされたフレームと相まって、ロッカーズらしい攻撃的なイメージを持たせることに成功している。そんな荒々しさとは対照的に、エンジンカバーをはじめ、あらゆる金属パーツにはクローム加工が施されており、各部の輝きは不良性とは一転、マシンに高級感を与えている。
ロッカーズの荒々しさとクロームが生み出す美しさ。二つの相反する要素を、正統派カフェスタイルという土台の上で融合させ、うまく表現した今回のSR。メイドバイスリーティーのカスタムにおける器の深さを改めて感じさせる1台だ。
ヘッドライトはカフェスタイルで定番のルーカスタイプをチョイス。MGグッズ製セパレートハンドルはトップブリッジ下に取り付けられており、乗車時の過激な前傾姿勢を作り出している。
メーターはどちらもMGグッズ製スミスタイプ。インジケーターはヘッドライトに内蔵されており、スッキリとしたメーター周りを演出している。
正統派カフェスタイルのフューエルタンクといえばもちろんBSAタイプ。ハイクオリティなユニオンジャックのカスタムペイントとシルバーリーフが、マシンの完成度を一段上げている。
タックロールのセミダブルシートはワンオフ。あえてグレーカラーにすることでマシンにどこか軽快なイメージを与えている。
エンジンカバーはクローム加工、腰上にはリンクル塗装でドレスアップ。ブラックとシルバーの織りなす美しいコントラストが存在感を放っている。
エキゾーストパイプはワンオフのハンドベント。オリジナルのリバースコーンマフラーでカフェスタイルらしいレーシーな雰囲気に。
アルミ製角型スイングアームは同店オリジナル。サスペンションは280ショートで、ともにクローム加工が施されており、リムと相まって高級感ある足周りを演出している。
カフェスタイルに必須のバックステップはシンプルな造形が魅力のWM製。こちらも他のパーツと同じくクローム加工が施されている。
Custom Spec
エキゾーストパイプ:ワンオフハンドベント/サイレンサー:オリジナル/キャブレター:CR38/エアクリーナー:モーターロック/ヘッドライト:ルーカス/テールランプ:ルーカス/ウインカー:MGグッズ製バレットウインカー/電装ボックス:ワンオフプレートスカチューン/ハンドルバー:MGグッズ製セパハン/トップブリッジ オリジナル/ミラー:3インチラウンド/スピードメーター:MGグッズ製スミスタイプ/タコメーター:MGグッズ製スミスタイプ/ハンドル周りその他:WM製左スイッチ/シート:ワンオフセミダブル/ステップ:WM製バックステップ クローム加工/フューエルタンク:BSAタイプ/フロントフェンダー:オリジナル ステンレスショート/リアフェンダー:ペイトンプレイス製ステンレスショート/リアサスペンション:ショートサス 280/スイングアーム:オリジナル アルミ製/Fホイール:エキセル Hリム(リム幅:1.85/径:18inch)/Rホイール:エキセル Hリム(リム幅:2.15/径:18inch)/Fタイヤ:アローマックス(サイズ 110)/Rタイヤ:アローマックス(サイズ 130)/足周りその他:前後ハブペイント/カムシャフト:純正/ピストン:ワイセコ89/両サイドエンジンカバー クローム加工/腰上ペイント/タペットカバーリンクル塗装//ペインター:MADE BY TTT ……etc.