取材協力:メイドバイスリーティーモーターサイクルズ
写真:編集部 文:佐賀山敏行
2016年8月4日の記事を再編集しました。
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シングルエンジンとシンプルなフレームを持つSRならではのカスタムとして定着した感のある「ボバー」スタイル。メイドバイTTTが手がけた1台は、そんなボバーをさらにナローかつコンパクトにしたもの。そのテクニックに迫る。
まず注目したいのはシートレール。定石どおり、ドロップ加工が施されているのだが、あえてアールはつけず、直線基調としている。それに合わせてワンオフ製作されたシートも当然、座面は直線をベースとしたもの。フューエルタンクにはヤマハのビンテージ・ミニトレール「MR50」を流用することで、シート形状と相まって、まっすぐなマシンシルエットを形成しているのだ。
また、前述のとおり、このマシンはナローかつコンパクトをコンセプトにしており、その絶妙なテクニックはフューエルタンクのチョイスだけでなく、リアフェンダーからも伺い知れる。フェンダーをスイングアームマウントとすることで、リアタイヤとのクリアランスをギリギリに保っているのである。ほかにもショートタイプのマフラーなど、パーツチョイスとマウント方法の妙により、マシンのコンパクト化が進められている。
シンプルなボバースタイルだからこそ、ちょっとしたテクニックでフィニッシュの完成度は大きく変わる。その好例といえる1台だ。