取材協力:チャックボックス
文:佐賀山敏行
※2017年7月4日の記事を再編集しました。
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“カフェレーサー”というよりも、もっと不良性の高さを滲ませる“ロッカーズ”というキーワード。それにこだわり続けるのが、ご存知、チャックボックスである。ここに紹介する1台も、ロッカーズであることにこだわり抜いたマシンだ。
一見すると、F.I.をベースにしているためにエキパイやフューエルタンクは純正のまま……ともすればライトなイメージで見る読者も多いかもしれない。しかし、このマシンで注目すべきは、その細かなディテールにあるのだ。
たとえばエンジンにはビッグフィン加工がほどこされているのだが、その仕上がりに不自然さはまったくなく、誤解を恐れずにいえば、まるで純正のよう。さらにパウダーコートによるフィニッシュにより、SRのアイデンティティともいうべきエンジンに、静かながらも大きな存在感を与えることに成功しているのだ。
足元に目を移すと、丸棒が美しい曲線を描くバックステップに気づく。これはワンオフで製作されたもので、ステンレス加工を得意とするチャックボックスならではの逸品。手作りでここまでのクオリティーとは……脱帽である。
ハンドルはオリジナル・エースバー1で、シートもオリジナル・セミダブルをチョイス。「フューエルタンクは純正のまま」と先に書いたが、こうした絶妙なパーツチョイスによって、SRが本来持つ落ち着いた雰囲気とやんちゃなロッカーズが絶妙に両立しているのが流石の技といえよう。
コンセプトは「大人のイメージで、日本人が作ったロッカーズ」とのこと。まさしくそのとおりに仕上がった、美しすぎる1台だ……。