取材協力:メイドバイスリーティー モーターサイクルズ
写真:編集部 文:小川伸晃
※2017年12月23日の記事を再編集しました。
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アウトローなイメージが強いチョッパーの台頭で、今でこそ相対的に上品なイメージのあるカフェレーサーだが、元々はロッカーズと呼ばれる不良たちのバイクであるのはSRユーザーならご存知だろう。今回紹介するメイドバイスリーティーによるSRは、そんなロッカーズの不良性と、正統派カフェレーサーの上品さをみごとに併せ持った1台だ。
BSAタイプのフューエルタンクにルーカスヘッドライト、プレート付きのショートフェンダーなど、トラディショナルなパーツ群で構成されたこちらのマシン。ベース車両に前後ドラムブレーキの95年式を使用することで、より当時の雰囲気を感じさせる作りとなっている。しかし、単なる当時を再現した正統派スタイルで終わらないのがメイドバイスリーティー流。フューエルタンクには見る者の目を奪う真っ赤なユニオンジャックのカスタムペイントが施され、大胆に低くマウントされたセパレートハンドルやガンメタにペイントされたフレームと相まって、ロッカーズらしい攻撃的なイメージを持たせることに成功している。そんな荒々しさとは対照的に、エンジンカバーをはじめ、あらゆる金属パーツにはクローム加工が施されており、各部の輝きは不良性とは一転、マシンに高級感を与えている。
ロッカーズの荒々しさとクロームが生み出す美しさ。二つの相反する要素を、正統派カフェスタイルという土台の上で融合させ、うまく表現した今回のSR。メイドバイスリーティーのカスタムにおける器の深さを改めて感じさせる1台だ。