※2018年03月03日の記事を再編集しました。
正確な時代考証に裏付けされた60-70’sのチョッパースタイルが人気の2%ER。今回紹介するのは、そんな同店の強みが12分に発揮された得意のB級チョッパーだ。
60年代の英国車をモチーフにしたこちらのマシン。元々はビルダーの山口さんが自分用に製作したもので、フレームや外装類などの要所はもちろん、マフラーステーやメーターなどのディテールまで当時のBSAやトライアンフに習って製作されており、その細かな作り込みによって当時の雰囲気を見事に再現している。
何より最も注目すべき点は、このマシンの持つストーリー性だ。山口さん曰く、製作時のコンセプトは「60年代、アウトローに盗まれた英車の成れの果て」。その言葉を踏まえて改めてマシンを見てみると、乱雑に塗りつぶされた外装は“本来のオーナー”にバレないようにするため。マシン全体に感じるどこか中途半端なちぐはぐ感はお金がなくてアウトローがガレージにあるものをとりあえずつけてみたから……そんなストーリーが浮かんでこないだろうか。山口さんはマシンに60年代当時のオートバイを取り巻くカルチャーまでも込めることで、マシンの再現度とカスタムの完成度を高めているのだ。
正確な時代考証とはただパーツチョイスやスタイリングに気をつけるだけではない。マシンにストーリー性を持たせることで、よりリアルに当時の空気感を再現することができる。そんなビルダーの哲学が込められた、まさに2%ERの真骨頂と言える1台だ。