取材協力 : カスタムハウス スティンキー
写真 : 井上 演
文 : 佐賀山敏行
※2018年11月4日の記事を再編集しました。
低いセパレートハンドルを装着したカフェレーサーやクラシカルレーサーのイメージが強いスティンキーだが、当然、作り出すのはそれだけではない。ここに紹介する1台は「スティンキーが考えるSRグランツーリスモ」を具現化したもの。さっそく、凛とした佇まいを見せるこのマシンの詳細を見ていこう。
スタイリングのポイントとなっているのは、やはりフューエルタンクやシートといった外装類。タンクはDUCATIのシングルモデルをチョイスし、ややロングなスタイリングを形成。シートはオリジナル・Type2Aを加工したもので、フューエルタンクと相まって落ち着いた雰囲気を作り上げている。また、大柄になった車体に合わせてロングスイングアームをチョイスしている点にも注目。違和感のないマシンシルエットの“隠し味”となっている。また、クラシカルテイストを盛り上げるヘッドライトや純正を加工したメーターも見逃せない。こうした細かなパーツのチョイス、そしてマウントバランスが自然なスタイリングを完成させているのだ。ただパーツを取り付けただけでは決してこうはならない……まさにスティンキーの技術とセンスのなせる技といえよう。
「カスタムマシン」としての大きなギミックを上げるとすれば、やはりハンドル周りだ。遠目から見ればバーハンドルを装着しているのか思わせるが、じつはこれはセパレートタイプ。同店オリジナル・モダンスタイルセパレートハンドルがマシンの個性をアップさせるとともに、軽い前傾によるロングツーリングをものともしないライディングポジションが生み出されているのだ。
美しいシルエットに抑えを効かせた洒落たギミック、そして細かなパーツにまでぬかりのないこだわり……カフェレーサーではなくとも、この1台もまた、じつにスティンキーらしさに溢れたマシンである。
純正メーターをワンオフステーでマウント。小ぶりなヘッドライトに違和感のない位置で装着されている。「グランツーリスモ」のイメージを決定づけるセパレートハンドルは、同店オリジナルだ。
フロントフェンダーは「アルミフェンダー付クラシカルスタビライザー」。フロント周りの強度アップも期待できる同店の新作パーツだ。
リムはボラーニの19インチをチョイス。キャリパーはAPレーシングで、制動力と雰囲気をともに向上させている。
ロングタイプのフューエルタンクが「グランツーリスモ」のイメージを決定づける。飽きのこないカラーリングにも注目だ。
同店オリジナルシートを加工して装着。タンデムや積載性など、実用性も十分の逸品である。
エキパイはオリジナルで、サイレンサーはリバースコーン。歯切れのよい排気音が期待できそう!
ロングフェンダーに合わせるテールランプはK&H製。大きめのウインカーはCB400Fタイプだ。
ロングスイングアームが車体シルエットを整える。
エキゾーストパイプ:オリジナル/サイレンサー:リバースコーン/キャブレター:純正VM/テールランプK&H/ウインカー:CB400Fタイプ/電装ボックス:オリジナル砂型バッテリーケース/ハンドルバー:オリジナモダンスタイルセパレートハンドル/トップブリッジ:オリジナル砂型:ミラー:ポッシュ/メーター:純正加工/Fブレーキキャリパー:APレーシング/Fマスターシリンダー:デイトナ/シート:オリジナルWシートTypeA(試作加工)/ステップ:コワース/フューエルタンク:DUCATIシングルタイプ/Fフェンダー:オリジナルクラシカルスタビライザー(アルミフェンダー付)/リアサスペンション:ヘイゴン/スイングアーム:オリジナルロングスイングアーム/Fホイール:ボラーニ(1.85-19)/Rホイール:ボラーニ(2.15-18) ……etc.