取材協力 : ツーパーセンター
写真 : 伊勢 悟(COLORS)
文 : 佐賀山敏行
※2020年1月13日の記事を再編集しました。
SRへの熱い愛情とともに、オールドスクールに対する深い造詣を持ち、さらにオリジナリティーへの追求を欠かさない2%ER。拠点を置く関西だけにとどまらず、全国……いや、近年では東南アジアのカスタムショーにも積極的に通い、その人気はまさに世界中に広がっているといっても過言でない。そんな同店が2019年末に開催された「横浜ホットロッドカスタムショー」に出展したのが、この1台である。
スタイリングはひと目見て分かる通り、70年代ロングフォークチョッパー。同店が得意とするオールドスクールスタイルである。が、やはりSRでこのスタイリングをここまで再現するのは流石のひとこと。当時主流だったハーレーのVツインや国産空冷4気筒とも異なるサイズ感を持つSRの単気筒エンジンをベースに、違和感のない車体バランスを実現しているのは、じつはかなり難しいことである。2%ERのセンスが光るポイントだといえよう。
さて、細かな点を見ていくと……やはり気になるのはフロントフォーク。ワンオフで製作された逸品は、スプリングをフォーク下部にセットした70年代のチョッパーパーツである「JYRO SPRINGER」を参考にしたという。ワンオフインベーダーホイール(こちらも当時の定番アイテム)と相まって、まるでタイムスリップしたかのような印象を抱かせる。
フレームは、メイン部は純正を使いながらも、後半部を大胆にモディファイ。シルエットはもちろんのこと、フレームパイプに絞り加工を施し、マシンの美しさをアップさせている。そして注目は、フレーム最後端にセットされたプランジャーサス。50年代ごろの独車や英車に見られる機構で、サスペンションとしての機能はひとまず置くとしても、ドレスアップと公認取得という2つの効果を得られるのは高ポイントだといえよう。
さらにスポーツスタータンクにはモールディング加工が施され、フレームと一体化。サイケデリックなペイントも当時を思わせる……まさにショーバイク然とした1台ではあるが、2%ERのカスタムマシンは「走ってナンボ!」。ビルダーの山口さん曰く、乗りやすさにも自信があり「街乗りにもロングツーリングにも安心して使える」とのこと。
まさに飾っても走っても絵になる……SRチョッパーの究極ともいえる1台である。
ハンドルバーはライザーレスのワンオフ。リアブレーキはキャリパー2機掛けとなっており、ブレーキレバーは、そのうち1機を操作する。
スポーツスタータンクにはモールディング加工が施され、フレームと一体化。サイケデリックなペイントが雰囲気を盛り上げる。
フロントフォークはジャイロ・スプリンガーをワンオフで制作。インベーダーホイールと相まって、70年代チョッパーの趣を高める。
エンジンにはビッグフィン加工が施され、存在感をアップ。各部のポリッシュは、オーナー自らが1年をかけて手磨きしたという。
スイッチ類はタンクとシートの間に集約。ハンドル周りをシンプルに見せるのに一役買っている。
スーサイドクラッチは独自の操作感が魅力。チョッパーらしいディテールといえよう。
リアタイヤ前方に電装パーツを集約。ボックスの造形にも抜かりはない。また絞り加工が施されたフレームにも要注目だ!
シッシーバーに小ぶりなテールライトを2つ装着。美しいリアビューを演出する。
エキゾーストパイプ:ワンオフドラッグパイプ/キャブレター:FCR39φ ポリッシュ仕上げ/ウインカー:Xミニウインカー/電装ボックス:ワンオフ/ハンドルバー:ワンオフ ライザーレスドラッグバー/Fブレーキキャリパー:エストレア ポリッシュ/Fマスターシリンダー:エンジン下部に設置/Rブレーキに:エストレア純正をポリッシュ2機掛け、リアマスターはKUSTOMTECH製、エンジン後ろに設置/シート:ワンオフ コブラタイプ/ステップ:ミッドハイジョッキーシフトキット(追加デザイン加工)/フューエルタンク:ワンオフ スポーツスタータイプ/リアフェンダー:ワンオフ/フロントフォーク:ワンオフ ジャイロタイプスプリンガー/三つ又:ワンオフ ナロートリプルツリー/リアサスペンション:ワンオフ プランジャーサスペンション/Fホイール:ワンオフ インベーダー(リム幅:1.85/径:18inch)/Rホイール:エストレアハブ、U型スチールリム(リム幅:2.15/径:18inch)/エンジン:ビッグフィン加工、各部ポリッシュ、メッキ仕上げ/フレーム:加工箇所やスムージングなど/ペインター:KAMIKAZE PINSTRIPE ……etc.
2%ER代表であり、ビルダーの山口さん。