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2020.05.15

名車の価値を高める/井上ボーリング 井上壯太郎【ESSAY】

名車の価値を高める/井上ボーリング 井上壯太郎【ESSAY】

いきなりSRではなくKAWASAKI Z2/Z1の話で恐縮なんですが、川崎重工さんからリバイバルヘッドというのが発売されて話題になったのはみなさんご存知かと思います。

下記に素晴らしい記事があります。iBのリバイバルヘッドに対する取り組みをThe SR Times編集長・佐賀山さんがまとめてくれたものなので、ぜひご参照ください。

https://www.bikebros.co.jp/vb/feat/20200331_ibg/

純正ヘッドの新品をメーカー自ら復刻したということなんですが、iBはその相手になるシリンダーの方にICBM® を提案して好評をいただいています。なにしろ1,000人の方がエンジンをなんとかしようとヘッドを購入されたわけですからね。エンジンはヘッドだけでできているわけではないので、シリンダーもクランクシャフトも当然なんらかの手を入れることになる、と考えていいはずです。iBにはまだ1,000台のオーダーは入っておりませんが、じきに入ってくるものと期待しています。

そうそう、SR-ICBM® も引き続き好評をいただいています。いっときにドッとは出ませんが、継続的にぽちぽちとオーダーが入り続けていますね。Shop SR TImesさんからもオーダーをいただいています。ありがとうございます。

なんと言ってもSRもすでに名車の仲間入りしていますよね。こんなに長く販売され続ける機種というのは世界にも例がないでしょうから、間違いなくSRも名車だと思います。

そういった名車に乗る時、SRもZ2/Z1もカスタムして乗る方も多いですよね。オーナーが自らの個性を表現する手段として、愛する乗り物にも自分の個性を反映しようとする。これは当然の志向だと思いますし、それ自体が素晴らしい趣味性の発露だと思います。

ただ、本当にクラシックな名車の場合、少し考えてしまうことがあります。

「バーンファインド」っていう言葉がありますよね。

新車のようなコンディションのクラシックカーが「納屋から発見された」というような時に使う言葉だと思います。このような場合だと「未再生」であることに大きな価値があります。仮に多少塗装が傷んでいたとしても、これをオールペンなんかしたら、台無しになってしまいます。当時のまま残っていることに価値があるわけですから。

そのように考えると、ZやSRといった「名車」をカスタムするにしても、やはりオリジナルへのリスペクトといったことも考慮に入れる必要はあるのかな、と思います。SRらしさを残したカスタム、とかですかね。

例えばオークションで落札するにしても、どこの誰かがめちゃくちゃにカスタムしたバイクなんて、値がつきません。そうすると元のオーナーはたいへんな手間隙とお金をかけて、元のバイクにあった価値をわざわざ無くしてしまっていることになります。別にお金が目当てでカスタムしたのではないとは言っても、やっぱり手放す時に値がつかないのは悲しいですよね。

こういう旧いオートバイが持っている資産性というか、価値の問題というのもやはり、旧いオートバイの世界に関わるものとして無視することはできないと考えています。

iBが提供している技術、ICBM® ・LABYRI®・EVERSLEEVE(特許申請中)、それにプラトーホーニングやWPC加工などはどれもこれも、別にそれでスピードが速くなるとか馬力が出るなどということではありません。

どれも耐久性が圧倒的に高まるような技術です。それが何を目指しているかというと、オーナーさんにとってそのバイクの「価値が上がる」ということなんです。

エンジンにICBM® を導入してある、となれば「耐久性にそこまでの投資をしているバイク」ということがわかって、そうであればエンジン以外の他の点も含めて「きっと大事にされてきたバイクなんだろうな」。そう思ってもらえるようでありたいんです。

僕たちはこういう価値を高めるような技術を総称して「モダナイズ」と呼んでいます。当時のオリジナルスペックを保ったまま、その欠点を現代のモダンな技術でカバーすることで、きれいにスムーズに回り高い耐久性を持ったエンジンを作ることはできるだろう。そしてそのことが最も旧いバイクの価値を「高める」ことになるのだろう、という考え方です。

ドレスアップやチューニングもいいけれど、名車が持つべき価値を高めるようなモダナイズもまたいいのではないでしょうか。

ICBM®の技術はシリンダーに鋳鉄スリーブとは比較にならないほどの革命的な超長寿命を与えて、そのことで旧いエンジンに長く大事に乗り続けていただきたい・旧いバイクを大事にしていただきたい、ということなんです。iBが掲げている基本理念にしっかりと沿った新技術・新製品になっています。現在はあらゆるエンジンに対応できるようになりましたが、特にSR用には完成品キットも用意してご用命をお待ちしています。

SR-ICBM®のシリンダーはShop SR Timesでもお買い上げいただけますので、ぜひご検討いただければと思います。

iBの得意技術ICBM®が登録商標になりました!

[I]noue boring [C]ylinder [B]ore finishing [M]ethodの略です。

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協力:(株)井上ボーリング

著者プロフィール

(株)井上ボーリング
井上 壯太郎(いのうえ そうたろう)
創業60年以上となる(株)井上ボーリング代表。エンジンのついた乗り物が大好き。仕事もエンジン、遊びもエンジン。トライアル・モトクロス・ロードレース。バイク以外ではボートを使って水上スキーやウェイクボード。現代世界はエンジンでできているのです!

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