※2021年3月23日の記事を再編集しました。
愛車にオーナーの個性や主張を反映させる「カスタム」という行為は、ときに行き過ぎることがある。たとえばここに紹介するカフェレーサーのオーナーは、過去に600ccオーバーのSRを所有しrたこともあるという。しかし今回、ベリーバッズにカスタムを依頼する際のオーダーは「エンジンはノーマルでいい」というもの。しかも、これだけの仕様変更をおこなっていながら、そのまま車検に通せるという、じつにジェントルなものなのだ。
その詳細を見ていくと、まず目にとまるのは、やはりフルカウルだろう。これは汎用のカウルをあてがったもので、当然ステー類は同店によるワンオフ。専用パーツでないものを、SRの車体に合うようにセッティングするため、「難儀でした……」とは、ビルダーの杉本さんの言葉。しかし、苦労の甲斐あって、そのフィッティングは絶妙のひとこと。一切の違和感なく取り付けられている。
特徴的なヘッドライトはLEDで、小さいながらも光量は十分で、ハイロー切替もできる車検対応とのこと。アルミタンクはアグスタタイプをチョイスし、曲線が美しいシートカウルとの相性も抜群である。ちなみにタンクとシートはもともとはボルトオンパーツなのだが、マウント位置を少し変えているとのこと。ビルダーのこだわりが垣間見えるポイントだ。
エンジンがノーマルとはいえ、やはりそのパフォーマンスにはワンパンチが欲しいところ。そこでこのマシンではマフラーをワンオフで製作し、吸気にFCRをチョイス。400のパワーを余すことなく引き出せるセットアップとなっている。
また、足周りに目をうつすと、フロントフォークにセリアーニを投入し、リヤサスペンションはYSS、さらに前後ホイールはワイズギアと、クラシカル感を重視しながらも、確実な性能アップを果たしている。また、JB製2ポットのフロントキャリパーにも要注目だ。
1978年、当時はライトウエイトのシングルスポーツとして登場したSR400……その妙味は純正エンジンでも十分に味わうことができるもの。ベリーバッズが製作したこの1台は、そんなSR400の良さを最大限に生かした良作といえるだろう。
TZタイプのトップブリッジにチャックボックス製エースバー2を組み合わせる。メーターは元ガジェットをチョイス。
アルミタンクはマウント位置を変更することで、ベリーバッズこだわりのシルエットを形成。アルミ時に見えるが、じつはこれはペイントとのこと。
フロントフォークはセリアーニ。フォークの前に装着されたキャリパーやシンプルながらもレーシーなローター、ワイズギア製キャストホイールなどが雰囲気を高める。
エンジンは基本的にノーマルながら、荒木エフマシンによる乾式クラッチが入れられている。クラッチのフィーリングも気になるが、見た目のインパクトも抜群!
オイルキャッチキャッチタンクやFCRキャブレター、バックステップなどでレーシーな雰囲気を演出。スムージングが施されたフレーム周りにも要注目だ。
スイングアームはスティンキー製。合わせるリヤサスペンションはYSSをチョイス。
シートカウルはおそらくティーポBとのことだが、正式には不明。ルーム加工されたリヤフレームにぴったりと合わせられる。
エキゾーストパイプ:オリジナル/サイレンサー:オリジナル/キャブレター:ヨシムラFCR/ヘッドライト:プロテック LED(ハイローありの車検対応)/テールランプ: デイトナ キャッツアイ/ウインカー:モトガジェット バーエンド/ハンドルバー:チャックボックス エースバー/2トップブリッジ:TZタイプ/スピードメーター:モトガジェット/タコメーター:モトガジェット/Fブレーキキャリパー:JB 2ポッド/Fディスクローター:サンスター プレミアム/Fブレーキホース:グッドリッジ/Fマスターシリンダー:ブレンボ/ステップ:ボアエース/フューエルタンク:アグスタタイプ アルミ/フロントフェンダー:スタビライザー兼キャリパーサポート製作/リアフェンダー:アルミ製作/フロントカウル:汎用フルカウル/フロントフォーク:新型セリアーニ/三つ又:ノーマル/リアサスペンション:YSS/スイングアーム:スティンキー/ワイズギア製前後キャストホイール/荒木エフマシン 乾式クラッチ/ループ加工/スムージング/補強ガゼット追加/ペインター:カミカゼ ……etc.