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2016.08.01

ESSAY/CANDY Motorcycle Laboratory 中村純/「僕が考えるSRのエンジン チューン編」

ESSAY/CANDY Motorcycle Laboratory 中村純/「僕が考えるSRのエンジン チューン編」

関東も梅雨明けが発表されて、ついに「夏到来」ですね!みなさん熱中症は大丈夫ですか?
暑さに茹だりながらも頑張っているCANDY中村です。

さて、今回のエッセイでは………前回からの続きで「僕が考えるSRのエンジン」のさらに「チューンについて」お話していきますね!
珍しく長くなりそうなので皆さまお付合いよろしくお願いしますね!(笑)

前にも書いたように、シンプルが売りのSRのエンジン。この「シンプルだからこそのチューニング」が楽しいんです!

チューニングと言って真っ先に思い浮かぶのは……ボアアップではないでしょうか?
排気量をアップしてパワーを得る。単純なことです。
しかもSRにはピストンが1つしかないので、まさにシンプル!
SRは400ccと500cc(現在は絶版車)のラインナップがあることは、みなさんご承知だと思います。この400ccと500ccの100ccの排気量の違いは、ピストン径の違いでは無く、クランクのストローク量の違いからくる100ccなんです。だから正確にはボアアップにはなってないんですね。400も500もボア径は一緒なんです!
この話もSRフリークのみなさんには釈迦に説法でしたね?!(笑)

 
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つまり、SR400にSR500のクランクを組めば……SR500になるってことです。
ただ、ここで問題になるのは「500のクランクに400のピストンを組む」ってこと。
これはオススメできません。
なぜか?
400のピストンと500のピストン。径は同じでもピストンの高さが違うんです!
高さが違うってことは「圧縮比」が違うってこと。
500のクランクの方がストローク量が多いので、500のピストンの方が高さが低いのです。
だから、たくさんストロークする500のクランクに高さがある400のピストンを組むと高圧縮になり過ぎる。高圧縮になってパワーアップしてラッキー!……では無いんですね。残念ながら(笑)。
ラッキーではない最大の理由は、耐久性に問題が生じるから。パワーを得ることがエンジンチューンの良いところですが、耐久性を失っては元も子もないですよね。

 
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ただ、ボーダーラインは必ずあるんです。
「エンジンチューンすると壊れる」なんて聞くことがしばしばありますが…そんなことはありませんから!
耐久性の無いパーツチョイスや、レースに勝つための限界チューンなら話は別ですよ。

だけど、きちんとSRのことをわかっている人なら、OKなチューニングとNGのチューニング……この違いが分かるのです。
僕は長年SRに乗り続けて、自分のSRのエンジンをチューニングして、各メーカーのパーツを色々試して、良いところ、悪いところ、色々と研究しました。
まだまだ至らない部分、試せてないチューニングもありますが、1つの結果として「オリジナルピストン」に辿り着きました!

 

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「うちのピストンが1番速くなる!」なんて言いません。
上には上がいますので、僕はそことは比較にならないと思ってます。
ただ、ストリートを意識した耐久性と、何よりもオーナーさんが納車の帰り道に体感できるチューニングエンジンを目指しています。

自分のSRだって人より少しぐらい速くしたいじゃないですか!
外装がカッコいいのに…「遅っ」みたいなのはカッコ悪くないですか?
「エンジンもチューンしてるんだよねぇ」なんて他のSR乗りの方に自慢したいじゃないですか!(笑)
エンジンチューンも立派な「カスタム」です!
カスタムの度合いには人それぞれ差があります。限界ギリギリのカリカリチューンでサーキット仕様もあれば、街中スイスイ快速仕様もある。

基本的に僕は「遅いバイクを速くする」のが大好きなんです。
例えば「チョッパーSRだから遅そうだな~」なんて思わせて、走りだしたら「速っ」みたいなね!(笑)
SRは遅い? そこがSRの良いところ? シンプルなエンジンだし? 遅いのは仕方ない?
……僕は声を大にして言いたい!

「SRはシンプルだからこそ、速くなるバイク!」

ピストンが1つしかないからこそチューニングが楽しい! 遅いバイクだから速くなるんですよ!
速くするための術なんてSRには無数にはありませんから(笑)。

チューニングに興味がない方にはつまらない話だったかも知れませんが、少しでも興味が湧いてもらえたら嬉しいです!

僕だって1人のSR乗りとして……
「他のSRオーナーには負けたくありませんからね」(笑)

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協力:キャンディーモーターサイクルラボラトリー

 
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著者プロフィール
essay-nakamura000
キャンディーモーターサイクルラボラトリー
中村 純
スケートボードやスノーボードが趣味ではあるが、1番の趣味はバイクという……バイクのことばかり考えているバイク好き。乗るのはもちろんSR。他にもベスパやミニトレなども所有する一児の父。

 
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