取材協力:キャンディーモーターサイクルラボラトリー
写真:編集部 文:佐賀山敏行
※2015年2月1日の記事を再編集しました。
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純正スタイルを良しとせず、自身の主張やセンスを愛車に投影させる行為が“カスタムビルド”である。だからこそ、本来は既存の“ジャンル”などに囚われず、自由な発想で取り組まれるべきであるが、多くのビルダーや実例によって育まれていった“スタイル”は完ぺきといえるもの。その枠組みから外れてCOOLなマシンを作ることは、正直、難しい……。
しかし、そんな難しいカスタムマシン作りをみごとに成功させたのが、神奈川県のキャンディモーターサイクルラボラトリーだ。
このマシンのオーナーは「ほかに絶対いないバイクにして欲しい」とオーダー。そこで同店ではセパハンにロングフォーク、ブロックタイヤにシートレールドロップ加工など、「カフェレーサー」「チョッパー」「スクランブラー」とあらゆるジャンルのディテールをこの1台に投入した……と、書くだけならば簡単だが、実際にはさまざまなディテールをひとつにまとめることが非常に難しいことであるのは想像に難くない。
ところが、写真を見れば分かるとおり、このマシンはまったく新しいシルエットを持ちながらも、すばらしいバランスを実現。左出しミドルアップマフラーやキャンディレッドレインボーフレークにペイントされたフレームなどが更なる個性を与えている。
オーナーの強烈な要望、そして個性をもカタチにする。ビルダーの高いセンスとスキルが存分に発揮された1台である。